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診療内容

TAVI


大動脈狭窄症の最新治療 TAVI 経カテーテル大動脈弁留置術


大動脈弁狭窄症とは

心臓は血液を全身に送るポンプの働きをしています。全身に酸素を送り届けた血液(静脈血)は、右心房に帰ってきます。帰ってきた静脈血は、酸素を補給するために右心室から肺へ送られます。肺で酸素を取り込んだ血液(動脈血)は左心房へ戻り、その動脈血は左心室の出口である大動脈弁から勢いよく全身へ送り出されます。
大動脈弁は、送り出した血液が心臓に逆流しないよう、3枚の弁が組み合わさり、大きく開きしっかり閉じる仕組みになっています。
この大動脈弁が加齢などにより石灰化して硬くなり、弁が開きにくくなることで、血液の流れが妨げられてしまう疾患を大動脈弁狭窄症といいます。

TAVI(経カテーテル大動脈弁留置術)とは

大動脈弁狭窄症は、病気が進行すると息切れや胸部圧迫感、失神などを引き起こすのみでなく、突然死などのリスクも高い病気です。そのため、硬くなった弁を人工の弁に取り替える手術を受ける必要があります。代表的な治療法は「大動脈弁置換術」という開胸手術で、心肺を一時的に停止させ心臓を露出し、狭窄している大動脈弁を人工弁に取り替えるものです。

この手術はすでに術式が確立しており、安全で確実性の高い手術です。しかし、人工心肺装置を利用するため、全身の臓器にかなりの負担を強いることになります。ご高齢の方や、癌のある方、開胸手術や放射線照射の既往のある方、ステロイド内服中の方、維持透析中の方、肺や肝臓などに重症な疾患がある方はこの手術を行うことが困難な事が少なくありません。そのような患者さんを対象にした低侵襲な治療法として開発されたのが「経カテーテル大動脈弁留置術 TAVI」です。

TAVIのメリット

  1. 開胸手術ができなかった方への新たな選択
  2. 身体への負担が少なく、早期に社会復帰が可能

岐阜県総合医療センターでのTAVI治療

1.. 豊富な経験と知識を持ったスタッフが治療にあたります

TAVIの導入にはハイブリッド手術室という手術台と心・脳血菅X線 撮影装置を組み合わせた治療室の設置が必須条件となっています。岐阜県総合医療センターでは東海地区の中では早い段階で、TAVIの導入を目指してハイブリッド手術室を完備しました。
TAVIを行うには、ハートチームの存在が不可欠です。当院でも高度なカテーテル治療の技術を持つ循環器内科医と心臓血管外科医をコアに麻酔科医、心臓画像診断専門医やME(臨床工学技士)、看護師、放射線技師、その他コメディカル、事務職員など、総合病院であることを活かし、様々な職種の専門家からなるハートチームを形成しました。

2. 機能不全に陥った外科的生体弁に対するTAVI(TAV in SAV)も実施しております。

外科手術により大動脈弁置換術で生体弁を植込んだ場合、その耐久性は10~20年と言われ、石灰化や摩耗により徐々に劣化していきます。そして弁が機能不全を起こすと、胸の痛みや息切れ、意識消失などを生じ、再び弁の置換が必要になることがあります。TAV in SAVは再置換が必要となった外科生体弁の中にカテーテルで新しい生体弁を植え込むことで、弁機能を改善することが期待できる治療で当院でも治療が可能です。

ハートチーム

担当医師

矢ケ﨑 裕人 先生

役職:医長

専門領域

認定医・専門医・指導医など

日本循環器学会専門医
日本内科学会認定医
日本超音波医学会超音波専門医
日本心エコー図学会SHD心エコー図認証医
日本心エコー図学会認定心エコー図専門医
日本周術期経食道心エコー認定医
心臓リハビリテーション指導士
MitraClip G4 System Training Faculty
ICD・CRT研修修了取得者
リードレスペースメーカー実施医
基本的心不全緩和ケアトレーニングコース(HEPT)受講済
WATCHMANトレーニング受講完了医

メッセージ

他県にいかずとも岐阜県内で世界標準の医療が提供できるように精進しています。循環器全般を診療しておりますが、特に心不全・集中治療・心筋症・画像診断・構造的心疾患(TAVI、MitraClip、WATCHMAN、PFO閉鎖など)を専門に診療をしています。心不全の薬物療法の最適化や最新のデバイス診療に興味がある方は是非ご相談下さい。

渡邊 亮太 先生

役職:医師

専門領域

認定医・専門医・指導医など

日本循環器学会専門医
日本内科学会認定医
日本心血管インターベンション治療学会認定医
TAVR 指導医(SAPIEN・CoreValve)
腹部大動脈ステントグラフト指導医
胸部大動脈ステントグラフト実施医
経皮的卵円孔開存閉鎖術実施医
MitraClip G4 System Training Faculty
WATCHMANトレーニング受講完了医

メッセージ

心臓弁膜症を含めた構造的心疾患および大動脈疾患に対する診療・カテーテル治療を専門としています。日進月歩のこの領域で地域医療が遅れを取ることがないよう日々努力しています。心臓弁膜症や大動脈瘤にお困りで低侵襲治療に興味がある方は是非ご相談ください。